乳幼児を育てているママ・パパにとって、自分の子どもの発達は心配事のひとつですよね。寝返り、ハイハイ、つかまり立ちなど子どもが順調に成長しているのを見るとホッとする半面、少しでも遅れがみられると不安でたまらなくなる…という方も多いと思います。
そんな中でも心配なのは、言葉の遅れではないでしょうか。今回は1歳半検診で言葉の遅れを指摘された娘がおしゃべり上手になった絵本の読み方をご紹介したいと思います。
1歳半検診で言葉が出ず要観察になった娘
わが家の娘は6カ月でおすわり、8か月でハイハイ、10か月でつかまり立ち、1歳4か月で一人立ちと、育児書にあるスケジュールからするとすこしゆっくり目でした。
ただ4か月検診や10か月検診などでは問題なしと言われていたので、「少しのんびり屋さんなのかな」と不安にならないように心がけていました。
そして迎えた1歳半検診。3つの積み木はつめたものの、「ブーブーはどれ?」「ボールはどれ?」といった指さしがまったくできません。
ちらりと隣の机を見ると、全問正解しているお子さんが。不安に押しつぶされそうになった私をノックアウトしたのが、「お母さん、1年後ぐらいに経過観察のお電話してもよろしいですか?」でした。
絵本の読み方を変えたら言葉が大爆発!2歳半で3語文
積極的に話しかけてはいるし、毎日のように児童館に出かけて一緒にあそべるお友だちもいる、それなのにどうして…。と不安が爆発。
あれこれと調べた挙句、たどり着いたのは「絵本の読み方」でした。
そして1年後保健所の先生から「お母さん、その後言葉の方はどうですか」とかかってきた電話に私が返したのは、「朝から晩までずっとしゃべっています。話半分に聞いていたら『オカ―チャン!アタチノオハナチキイテマシュカ!アタチハアンパンマンノオセンベイがタベタカッタノニナンデナイノ!プンプン!』と返されました」でした。
保健所の先生に大笑いされたのは、言うまでもありません。
ターニングポイントになった「ダイアロジック・リーディング」とは
そんな娘の言葉の爆発につながったのは、「ダイアロジック・リーディング」でした。
ダイアロジック・リーディングとは、ニューヨーク州立大学の研究チームが開発したアメリカ生まれの絵本読み聞かせ方法です。日本の読み聞かせは親が文章を読んでおしまい、となることがほとんどですが、ダイアロジック・リーディングではただストーリーを追うのではなく、子どもたちへの言葉かけと対話を重視していきます。
対話しながら読み聞かせを進めていくことで、読解力や思考力を高め、親子の密なコミュニケーションにもつながるとして大きな注目を集めています。
1歳児向けにダイアロジック・リーディングをアレンジ
ダイアロジックリーディングの基本的な流れは読み聞かせとともに「PEER」という順序で行われます。
- Prompt(促進):質問する
- Evacuate(評価):子どもの発言を評価する
- Expand(拡張):子どもの発言を拡張する
- Repeat(反復):子どもの理解を深めるために反復する
ただ、まだ言葉が出ていない1歳の娘にこの流れは難しく、
- 「これは何かな」「ぞうさんだね」
- 「これは何色かな」「みずいろだね」
- 「ねこさんはどうして泣いているのかな」「かなしいのかな」
と絵本を読みながら質問をし、私の考えも付け加えるようにしました。すると3か月ぐらいで「あか!」「にゃんにゃん!」と1語文がではじめ、そこからはまさに言葉の爆発でした。
絵本の読み方に一工夫!親子で楽しい時間を過ごそう
こうした絵本の読み方を取り入れて意外だったのは、ただ読み聞かせるだけでなく対話することで、親にとっても楽しい時間になるということでした。
娘も「わたしのおはなしをきいてくれている」と実感しているのか一生懸命に話してくれるので、子どもの意外な視点や感性に気が付くことができるようになっています。
ダイアロジック・リーディングというと難しく感じられますが、絵本さえあればその日にもすぐに始められます。「言葉が遅くて心配…」というママ・パパは、ぜひ今日の読み聞かせから取り入れてみてはいかがでしょうか。