読み聞かせの習慣を作ることで、子どもの将来に大きな影響を与えると言われています。実際、脳科学の分野でも幼い頃の読み聞かせは効果があるとされ、推奨されてきました。
また、幼いころの読み聞かせは、その後の読書習慣にも影響を与えるといわれているので、実践している人も少なくないかもしれません。
しかし、ただ読み聞かせをするだけでいいのでしょうか?実は、読み聞かせ後に、ある行動をすることで、子どもの考える力を育むことができるのです。
今回は、読み聞かせだけで終わらせない、考える力を身に付ける本の読み方について紹介していきます。
受け身読書からの脱却
眠る前にベッドで5分程度の時間を使い、読み聞かせをしているという人は多いと思います。子どもにとっても、楽しみな時間となっているでしょう。
そして、楽しい物語が終わると同時に一日が終わり、電気を消し眠るという人が多いですよね。
3歳程度までの子どもであれば、言葉を覚えるための一つの学習として、これでもいいかもしれません。しかし、もし子どもが自分の気持ちを言葉で伝えられるようになっているのであれば、もう一歩踏み込んだ読み聞かせ方が存在します。そして、それによって考える力を育てることができるのです。
それが、読み聞かせた本の感想を聞くというもの。
読み聞かせ後に、親子で読んだ本について話し合うのです。
これによって、何が変わってくるのかというと、読書に対する姿勢です。
大人であれば、本の読み方には様々な方法が存在することを知っています。
疑いながら読むという方法もありますし、異なる意見を紹介している二冊の本を読み比べるというのも一つの方法。また、書かれている内容をベースにして自分の考えをプラスアルファして検証してみるといった読み方も存在します。
これらの読書方法は、主体的な読書といえるでしょう。ただ、読んで楽しむだけの受け身の読書とは、大きく異なります。
考える力を身に付けるためには、主体的な読書方法が重要になってくるのです。
言葉が出てくるのを待つ重要性
子どもに本の内容を質問したり、特定の場面に自分がいたら、どう行動する?といった質問をすると、慣れるまで上手く言葉で表現することができないかもしれません。
だからといって、先を急かしたり、こう思ったんだよね?といったように誘導するようなことは控えるようにしましょう。
なぜなら、子どもは自分の言葉で必死に答えを探しているからです。拙い言葉であったとしても、その言葉を待ってあげましょう。待ってもらえるということが、子どもにとっての安心につながっていくと同時に、思考を深めるための時間になっていきます。
子どもの成長速度というのは、大人とは比べ物になりません。今、ここで少しの考える時間を作ってあげることが、その後の人生で大きな役に立つ。
そう考えれば、決して長い時間とは感じないはずです。
間違った意見はない
子どもの感想が、物語が伝えるメッセージを反映していないこともあります。しかし、そのような場合でも、決して子どもの意見が間違っているとは思わないようにして下さい。
物語は、読む人によって解釈や感想が違ってきます。それが、普通なのです。皆が同じ感想を持つことがないというのは、同じ映画を観た友人と感想を言い合った経験を思い出せば、実感できるはずです。
大切なのは、子どもが自由な意見を言える場所を作ること。
自由な表現ができる。この環境によって、考える力は向上していくのです。
まとめ
読み聞かせには、言葉を覚えるための役割だったり、語彙を増やすという役割があります。しかし、それだけではありません。読書によって、考えを深めたり、疑似体験をすることができるのです。
せっかく、読み聞かせを実践するのであれば、読み終わってから5分程度でいいので、本について語り合ってみて下さい。読み聞かせの後の感想会。それを続けていくうちに、子どもの表現が広がっていくことが実感できるはずです。