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受験力・創造力・人間力が育つ「空間認識能力」に大切な10歳までの教育

中学受験でも高校受験でも、最も差のつく科目は「算数」「数学」です。

さらにその中でも、単元では「図形」「幾何学」になります。計算力はもちろんのこと、「空間認識能力」や「イメージ力」、「知識を組み合わせる力」がないと正答できないからです。

実際の受験時には、イメージ力不足で苦労する子どもが多くいますが、それは何故なのでしょう?

今回は「空間認識能力育成のために10歳までにやっておくべきポイント」についてお伝えしていきます。

「図形を本格的に学ぶ」のが、なぜ小学校高学年なのか

体積や表面積の計算の難度

図形を扱う学校授業が小学校高学年に集中しているのは、面積や体積、表面積といった計算が複雑だからです。

円であれば円周率(およそ3.14)の計算となり、小数第2位までの理解が必要になりますし、複雑な立体の体積や表面積には相似比を利用することもあります。

そうなると、本格的に扱うのが必然的に高学年になってしまうのです。

しかし、一方で心配なのは「図形を勉強するのは高学年」という先入観です。

「低学年の時期はまず計算力をつけていけばいい」と、画一的な教育の結果、大人が思い込んでしまい、最終的に子どもたちの空間認識能力の育成の機会を減らしている危険性があります。それが受験時のイメージ力不足に繋がっているのではないでしょうか。

中学生になって錐体の計算に手こずる理由

空間図形の中でも錐体について本格的に勉強するのは中学1年生の冬です。

ここでは、円錐の体積や表面積、展開した時の側面にあたる「おうぎ形の中心角」などを求めますが、生徒たちは理解するのに手こずり、試験に出題されても正答率は低い傾向にあります。

理由のひとつとして、ここで学習するたくさんの公式に、アルファベットやギリシャ文字が登場し混乱することが挙げられます。

演習率はπになりますし、面積はS、体積はV、半径はr、弧の長さはℓ、中心角はa・・・。公式を覚えるだけでも苦労しますね。

さらに、もっと困ることはイメージ(想像力)です。

見取り図と展開図、投影図、切断といった解体や、別の角度から図形を想像する必要があります。

イメージはできないし、計算も難しいので「自分には無理」と諦めてしまう子どもが増えるのです。

長年指導していて思うのは、せめてイメージする力だけでもこの時期までにしっかりと養っておけば、ここまで苦労する必要はないということです。

そのため「空間認識能力を育成する」訓練は、もっと早い時期に取り組んでおくべきでしょう。

10歳までに空間認識能力を育成する必要性

脳の成長期は10歳まで

最近では、幼稚園や小学校低学年の時期に、図形に触れる機会を多くする教育メソッドが増えてきました。

この年齢層が、空間認識能力を高める絶好の時期だという認識が一般的に広まってきているからです。

中には、かなり複雑な図形のイメージを鍛えるメソッドも登場しています。

脳重量の発達曲線を見てみると、成人期の脳の重さを仮に100とした場合、7歳の時点でおよそ80まで急激に成長していきます。脳は身体の成長よりも先行して進んでいくのです。

10歳にはおよそ90以上になり、ここから先の成長は、ほぼ変わりません。これが「脳の成長期が10歳まで」といわれている理由です。

そのため、この時期までに脳の発達を促す経験や教育を受けることが重要です。

図形に触れれば触れるほど、また、いろいろな視点から図形を見る訓練をすればするほど、間認識能力は大きく伸びていきます

逆に10歳を過ぎてからイメージ力を高めようとしても、なかなか難しいとも言えるでしょう。

もちろん問題演習を積むことで補うことはできますが、パターンや公式で解いているだけで、自然とイメージできるのとは少し違います。

ですから受験時に今までに解いたことのないような図形問題が出題されると、お手上げ状態になってしまうのです。

空間認識能力やイメージ力の育成という面で、「10歳まで」というのは大切な目安になってきます。

空間認識能力は低学年でも育める

10歳までが大切だからといって、円錐の表面積を求める勉強を無理にする必要はありません。「計算」はいずれできるようになるからです。

大切なのは「円錐を展開した図形はどうなるのか」、「見取り図の母線は、展開図上ではどこなのか」といったイメージですので、円錐という言葉すら知らなくても問題ありません。

身近にもパーティーで被る帽子や、円錐形のクラッカーなどがありますから、それを実際に切り開いてみたりするだけでもイメージ力は育成されていきます。

直方体であればティッシュの箱、円柱であればティッシュペーパーの芯など、探せばいくらでもあります。

そういった身近な物を利用していくのもいいでしょう。

家庭で意識をして空間図形に触れるきっかけを作ったり、親から「展開するとどうなるのか」問いかけつつ、組み立てた図を子どもに考えさせてみることが大切です。

市販されているパズルや積み木は最も利用されているツールです。

ポイントは「親子で楽しみながら図形と触れ合っていくこと」です。この経験の差が、中学受験や高校受験で大きな差になります。

もちろんイメージ力は、相手の立場から考える共感力、自分を見つめる内省力にも繋がっています。

これは社会人になるととても重要な人間力の一要素です。

そう考えると、10歳までの時期はやはり貴重な時期だと言えるでしょう。

まとめ

10歳までに「何をすべきなのか」「何ができるのか」ということを、大人として親がしっかり理解しておく必要があります。

そしてその大切な時期を逃さぬよう、身近なものを使って子どもの能力を伸ばすサポートを最大限してあげましょう。

「うちは受験しないから」「学校の授業に任せているので」ということで、なんとなく過ごしてしまうのは、とてももったいことです。

創造力豊かな人に育て、将来の選択肢を広くするためにも、小学校低学年でもどんどん図形に触れる機会を作っていきましょう。

この時期の習い事を検討する際に、ぜひ判断材料にしてみてください。

間違いなく大きなアドバンテージになっていくことでしょう。

この記事を書いた人
DONA

大学で幼児教育・幼児心理を専攻。17年間進学塾講師を勤める。
空間把握能力と読解力を向上するメソッド導入などにも携わり、子供の教育プロセスをより良くする方法を学ぶ。子供の可能性は無限大であり、それをより教育に反映する手伝いができえばと、執筆活動に勤しむ。

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