小さい頃から英語を!見つけていて損はない早期英語教育のススメ

今、幼いうちから英語教育を始める「早期英語教育」が注目を集めています。4月になると必ず、芸能人の子どもがインターナショナルスクールの幼稚園に入学したというニュースがワイドショーを賑わせることからも関心の高さが分かります。

でも、英語の早期教育には否定論もあるのです。

英語の早期教育はセミリンガルを作る?

巷の英語熱が高まるにつれて、語学関係者から英語の早期教育に反対する声が挙がりだしました。彼らの主張の多くは、母国語である日本語が完成されないうちに子どもを英語漬けにすると、日本語学習能力が阻害されるというものです。

 

日本語学習が英語を学ぶことによって阻害され、かつ英語の能力もそれほど伸びなければセミリンガル、またはダブルリミテッドと呼ばれる状態になる可能性があります。

 

「2つの言語を話すが、どちらも母国語というレベルではなく、論理的思考が表現できない」人のことを言い、実際にそういう方々は存在します。しかしそれは、母国語となる言語が完成される前に外国語を学んだからなのでしょうか?

 

子供が持つ驚くべき適応力

私の娘は、日本語・英語・フランス語の3ヶ国語を理解します。主人が外国人であるという環境に助けられてのことですが、赤ちゃんの頃から3ヶ国語を聞きながら育った彼女の日本語学習能力、阻害されたとは感じていません。

もちろん言語の習得には大きな個人差がありますから、数ヶ国語を一度にインプットされることで混乱してしまう子もいるでしょう。では娘は特別なのでしょうか?親としては特別だと言いたいところですが、全く特別ではありません。

娘が複数の言語をネイティブスピーカーのように操ることができる理由は、子どもの柔らかい脳みそを持っているからです。大半の子どもは言語に対して驚くべき習得力を持っているのです。

トライリンガルの娘の頭の中

娘は幼稚園の年長になりました。父親がフランス語、家族では英語を話すという環境で育っています。3つの言語についてそれぞれ、ほぼネイティブの子どものように話すことが出来ています。

娘の頭の中には、日本語・英語・フランス語の単語や文法、それぞれの文化までが「別々のもの」として頭の中の違う棚に収納されていきます。

我が家では幸いなことに、母親が日本語、父親がフランス語、家族揃ったら英語と役割分担がはっきりしているので、どの場面でどの言語を話すのか分かりやすいというメリットもあります。この子育て方法はOPOL(One Parent, One Language)と呼ばれ、2ヶ国語以上の言葉で子どもに話しかける際の最も簡単で、最も効果が上がりやすい方法とされています。

OPOLは大変効果的な方法ですが、家庭での多言語教育には他にも方法があります。
ご両親ともに英語を話さなければ、英語教室では英語、テレビはいつも英語などと時間を区切ってあげることができれば、同じような環境をつくってあげることが出来ます。

子どもにバイリンガルを望むなら、まず親が努力

子どもが言語を習得するとき、大切なのは特定の言語に「触れている時間の長さ」です。一日何時間触れていればその言語を習得できる、という保証はありませんが、長ければ長いほど習得できる可能性は高まります。

日本在住である限り、日本語の学習能力を阻害してしまうほど英語漬けにするには、かなり特殊な環境に身を置かないといけないと思います。英語も日本語も中途半端になると心配するのではなく、「英語の時間」を最大限に有効利用してあげることを考えた方がより子供の習得レベルも高くなります。

また、「英語に触れる時間」を作ったら、パパやママはその過程に参加してあげましょう。「英語教室で今日は何を習ってきたの?」「この英語のお歌、一緒に歌おうか?」と声かけしてあげると、より一層英語への興味が高まり、お子さんも英語を学ぶことがより楽しくなるはずです。

そして英語の時間以外は「日本語の時間」になると思いますが、英語に触れる時間が増えれば増えるだけ沢山の日本語に意識的に触れて語彙を増やす努力をしてあげましょう。

そういう努力なしで、例えば、「日本語は日本に住んでいたら学ぶだろうし、バイリンガルなるためにインターナショナルスクールに通わせているから英語も大丈夫」と安易に考えてしまうと、語学研究者が憂いているセミリンガル/ダブルリミテッドの状態になってもおかしくありません。

英語の早期教育は日本語教育との両立で成り立つ

将来的に子どもがバイリンガルになるかどうかは、早期教育を行ったかどうかではなく、親と子どもが、英語と日本語を両立するためにどれだけ努力したのかがキーとなります。

今3ヶ国語を離している娘も、将来トライリンガルのままでいられるかはこれからの努力に掛かっています。

私は、英語の早期教育は将来、本格的に英語を学びたいと思った時の下地を作ってあげていると考えます。

英語の習得に年齢的リミットはありません。でも、一定の年齢を越えると「発音」と「聞く耳」を習得するのに時間がかかり、努力しても思うような結果が得られないこともあります。深い思考がしっかりあっても、発音が悪くて伝わらない、相手の言葉が聞き取れなくコミュニケーションが成立しないこともあります。

子どものうちにバイリンガル教育をすることは、右脳・左脳の両方に刺激を与え、結果として想像力、クリティカル・シンキング、心の柔軟性を育てるというハーバード大学の調査結果もあります。

言語教育は黒、白と割り切れるものではありません。極端な結果を恐れず、日本語の学習も大切にしながら積極的に英語教育のチャンスを子どもに与えてあげて欲しいと思います。

 

 

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