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漢字を覚えるベストタイミングは実は3才児だった 〜漢字を読んで本を読もう 前編〜

みなさんは昔、漢字をどのように習ったか覚えていますか?

漢字の勉強というと、小学校や宿題で、ひたすらドリルの反復練習をした人が多いのではないでしょうか。

ドリルでは「読み」と「書き」を同時に学習します。

しかし実は脳科学では、人間の能力は、書く力よりも“読む力”の方が圧倒的に早く身につくと言われています。

漢字を小さい頃から読むことができれば、本や街中での知識の吸収量が圧倒的に高まるので、
早いうちから様々なことに好奇心豊かな子に育ち、その後の学力の伸びに大きく影響していきます

そんな大切な時期を逃さないよう、すでに幼稚園から漢字の“読む力”を伸ばす試みをし、成功している横浜市の「田園都市幼稚園」にお話を聞きました。

幼稚園児に漢字は読める?

田園都市幼稚園で、実際に使っている漢字集を見せてもらうと・・これは幼稚園児ではなく、もしかして年配の方が読むものでは?!とおどろくような難しい漢字が並んでいます。

内容も、論語などの漢詩や方丈記、宮沢賢治・・など、名作の古典と呼ばれる作品です。

園長に早速、素朴な疑問として「お子さんたちにこの意味をわかるんですか?」とぶつけると、

「大人の皆さんにはまずそう訊かれます。笑

しかし、実は子どもに意味を教えることは特にしていません。

漢字教育とは、わざわざ漢字をひらかなに直さず、視覚的に認識することからはじまります。

論語や方丈記などは、音読してみると言葉に心地よいリズムがあって、

子どもは喜んで漢字をすらすら読むようになるんです。」

とお話してくださいました。

園では持ち物に書く園児の名前も全て漢字表記にしていますが、それも不自由はほぼないようです。

普通、大人は子供にわかりやすくしてあげようと、子供本人の名前までひらがなに直してしまいがちです。

しかし、驚くべき丸暗記力をもつ幼児期にの子供にたいして、実はこの作業は不要なのかもしれません。

大人が子供を無意識のうちに思い込みの“子供扱い”をしてしまい、能力の可能性を狭めているとしたら、
幼児期の漢字習得にはどのような可能性があるのでしょうか。

 

幼児期の漢字教育の重要性を知ったきっかけ

志田園長が漢字教育に出会ったのは、ある講習会で国語教育で著名な教育学博士(故・石井勲先生)のお話を聴いたことが始まりだったそうです。

脳科学では、人間のいわゆる丸暗記の力(=機械的記銘能力)は、実は3才をピークに伸びるということがわかっています。

子供が母国語を何の努力もせずにネイティブにしてしまうのは、脳がスポンジのように何でも覚えるこの時期に学ぶからです。

漢字を“読む力”も、文字を「視覚的に認識する」能力であるため、丸暗記力が発揮される場のひとつです。

志田園長:

「言葉とは本来、日々の生活の中でふれて学習していくものなので、難しいからといってはじめから排除しなくていいんです。

子供の丸暗記力は、大人が思っている以上に目をみはるものがあります。

最近の絵本はすべての文字をひらがなに直してしまっているものが多いですが、

例えば、『むかしむかしあるところに』と『昔々あるところに』の2つの表記では、

後者のほうが、大人だけでなく子供も、ずっと読みやすい(視覚認識しやすい)んです。」

 

もし「むかしむかし」をひらがなで一字づつ読めたとしても、それは文章の流れを理解していることにはならず、む・か・・・というひらがなを記号として知っているだけです。

それと比較すると、漢字を織り交ぜた絵本で、ストーリーを話してあげることは、文字とそれに関係したストーリーの意味を、同時に理解していくことができるようになります。

 

ひと昔前の日本の教育水準が高かった理由

昔の日本では、寺子屋で漢文の素読(そどく)をしていましたが、

それも実は、漢字に慣れながら、書く力ではなく“読む力”を先に習得することが、後の理解力向上に役立つと知っていたからではないか、と志田園長はお話しています。

残念なことに、現在の日本では国が決めた学校の指導要項として、書きと読みを同時に小学生から習わせる方針をとっていますが、これは幼児にとって非常にもったいないことです。

前述の石井先生のお話から感銘を受けた先生たちによって、漢字教育は、現在全国600〜700の主に関西・九州の園で取り入れられています。

田園都市幼稚園の志田園長のお話からは、小さい頃に開花させてあげた能力こそ、大人になってもずっと活きるものになるという、まさに、本当に子供のことを想う存在が親以外にもいるという、安心感と園の強い信念を感じました。

(後編に続きます)

 

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